仕事をしている人で、「PDCA」という言葉を聞いたことがない人は、ほとんどいないでしょう。
PDCAとは、
- Plan(計画)
- Do(実行)
- Check(確認)
- Action(改善)
の頭文字をとったもので、目標達成や業務改善のために欠かせないサイクルとして知られています。
では、そのPDCAサイクルを、公務員は実際の現場でどのように実行しているのでしょうか?
今日はこの点について、公務員として働いてきた私の実感も交えてお話ししたいと思います。
個人レベルではPDCAが回っている
結論から言うと、公務員一人ひとりが担う日々の業務レベルでは、
PDCAはかなりうまく回っていると感じます。
その理由の一つは、公務員の業務が反復性の高い仕事であることです。
たとえば、
- 住民票の発行
- 税金や公共料金の徴収
- 議事録の作成
- 許認可手続き
- 入札・契約事務
といった業務は、基本的に「同じことの繰り返し」で構成されています。
そのため、過去の経験や学びを次に活かしやすく、自然と「改善のサイクル」が回っていくのです。
では、事業単位ではどうか?
一方で、もう少し大きな視点――つまり「自治体の事業」という単位で見ると、話は変わってきます。
自治体が何か新しい事業に取り組む際には、
「なぜその事業をやるのか?」という目的が必ず問われます。
しかし、その目的がたいていの場合、
- 「地域の活性化のため」
- 「〇〇の充実を図るため」
といった抽象的な表現になりがちで、
数値などの客観的なデータで検証(Check)するのが難しいのです。
国の補助金を使うような事業であれば、
KPI(成果指標)を設定し、成果を測定することはありますが、
それは全体のごく一部にすぎません。
検証なき継続が生む問題
行政の事業は、対象となる範囲が広く、影響も多岐にわたります。
そのため「この施策の効果をどう測るか?」という問いには、確かに難しさがあります。
ですが、その困難さを理由に検証を行わず、毎年同じ事業をなんとなく続けてしまっている――
というのが、実態としてよく見られるのです。
おわりに
日々の業務ではPDCAが自然に機能していても、
自治体の事業運営という大きなスケールでは、まだまだ改善の余地がある――
そんな現場感を、今日は少しでも伝えられたら幸いです。
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